これはとあるおばあちゃんのお話し
そのおばあちゃんはとても上品で物静かです
そして人の話を聞いては良く笑ってくれます
他の利用者様はそのおばあちゃんを笑わせようとよく冗談を言ってます
そして
かならずと言っていいほど笑ってくれます
そんな人気者のおばあちゃんを
いつものように迎えに行き
いつものようにお車に乗せ
いつものようにデイサービスへと向かいました
発車してすぐにおばあちゃんが言いました
「喉がイガイガするからトローチ舐めるのでマスク外しますね」
そう言っておばあちゃんは手さげ袋からトローチが入っているアルミパウチの袋を取り出しました
袋を開けてマスクを下にずらしたところで
僕は前を向いて運転に集中しました。
しかし、それから10秒もしない内に、後ろで動く気配があしたので僕はもう一度ルームミラーをのぞきました
そうしたら、おばあちゃんはまたマスクを下げてテッシュを手に口からトローチを出しているではありませんか
僕は不思議と思っておばあちゃんに声をかけました
「どうしましたか」
しかし、聞こえているはずのおばあちゃんは何故か無反応で外を見ています
僕はもう一度声をかけました
おばあちゃんは一度ルームミラーを見て僕と目が合いました
そしてなぜかすぐに目を逸らしたのです
ちょうどその時、信号で車が止まったので、今度は振り返っておばあちゃんに聞きました
そうするとそのおばあちゃんは恥ずかしそうに一言・・・
「間違えちゃった」
と言ったのです
何のことを言っているのかわからなかったのでもう一度聞くと更に小さな声で・・・
「入れ歯を洗うやつと間違えて持ってきちゃった」
えっ(; ・`д・´)
そのおばちゃんが持っているトローチの袋と部分入れ歯を洗浄する洗剤の袋が似ているらしく両方とも箱から出した状態で引き出しに入れてあるらしいです
同じようなアルミパウチの袋だったので間違えたみたいです
(いやあぶないあぶない)
急遽コースを変更し、うがいをしてもらうよう最短ルートでデイサービスへ向かいました
その間おばあちゃんは一言も話さず
さすがに間違えたことショックだったのかなって思ってたのですが
デイサービスについて車を降りる際に一言僕に・・・
「誰にも言わないでね(笑)」
(; ・`д・´)そ、それをずっと考えてたんですか
・・・・うん、でもその気持ち大事かもしれないっすね
一口メモ
薬や洗剤など見た目が似ているものは、箱から出して保管せずに箱のまま保管をした方がいいです
その方が、わかりやすいですし、用途も確認でき、使用期限もわかります
そのように説明をすると高齢やの方も納得してくれると思います