actday。

~ 少しでも気持ちが楽になりますように ~ 

もうしわけない

うちのデイサービスは麻雀もやっているんです
なので男性の利用者様も結構いらっしゃいます
 
そんな利用者様の中にマッサージをした後、必ずダジャレを言うおじいちゃんがいるんです
 
それもいつも同じダジャレを・・・
 
その方は軽い認知症があり、短期記憶を覚える事ができません
 
リーチをかけたあと自分の牌を伏せて当たり牌が出るまで待つのですが、いつも途中で忘れてしまって、伏せた牌をまた立てて確認してました
(麻雀知らない人ごめんなさい)
 
あと、何度も同じ話をする事がありましたが、麻雀の点数を数える事が出来るのでとても助かりました
(短期記憶だけで昔覚えて長期記憶となっているものは覚えてます)
 
マッサージの時はベットに寝転ぶ為、厚い上着や、眼鏡、帽子などお預かりをして行います
 
その時も眼鏡と帽子を預かりマッサージを開始しました
 
マッサージをするとすぐに寝てしまうのでマッサージ中はあまり話したことは無いのですが、たまに起きていて話をすとやはり昔の話で同じ話をしてくれます
 
しかしこの時はいつもと違う事が起こりました
 
マッサージが終ったので、横たわっている状態からベッドに座らせて靴を履いてもらい
 
そして眼鏡を渡し、帽子を渡そうとしたら時、おじいちゃんが手を滑らせて帽子を床に落としてしまったのです
 
僕は慌てて帽子を拾いその利用者様にお渡ししました
 
するとおじいちゃんはにやりと笑って一言
 
「ぼうしわけない」
 
と、言ったのです
 
油断していたのか、言った後のその利用者様の自信に満ちた笑顔がツボったのか
 
不覚にも僕は笑ってしまったのです
 
その利用者様は満足したようにその場を去っていきましたが
 
この日からマッサージが終り、帽子をお渡しすると必ずそれを言うようになりました
 
もちろん都度笑ってしまいます
 
 
一口メモ
高齢者になるにつれて短期(直前)の記憶が覚えられないという事がよくあります
同じ話を何度もしてしまうのも、話したことを忘れてしまっているからなのです
ここで「それさっき聞いたよ」と言ってしまうのは良くありません
認知症の進み具合にもよるのですが、自分では話した記憶が無いことに混乱してしまう場合があるのです
人によっては「そう?でもいいじゃないの」とか「私ったら忘れっぽくて困ったね~」とか自分が忘れっぽいという事を自覚している人がいますが、短期記憶が覚えられなくなった初期の頃というのは自分自身も「何かおかしい」と不安に思っているのです
なのでその時期を乗り越えるまでは、ぜひ何回でもお話を聞いてあげてください

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